風俗街博多に狂った男

風俗街博多の交差点で小学生が轢き殺されて死んだ時も弾き殺した感触があって実際に轢かれて死んでいたし、時速120キロの鋼鉄のボディーに吹き付ける風はつめたい、とにかく彼は感触を得れることをわかっていた。ならば俺はまた射精できるのではないか……俺の魂に概念としてのちんぽを生やすことができるのではないか。彼の頭にあったのは、茜だ。射精以外のことで唯一快感に至らせたのは博多の風俗嬢、茜のぬくもり、鼻息、潤んだ瞳だ。

暴走するダンプカーは国会議事堂を破壊、国家機能は麻痺。高速で動く鋼鉄のダンプは国会議事堂を完全に粉砕、国家は麻痺。在日米軍と地方自治体連合は北へ直進する鋼鉄の塊の行く先を福岡県と推定する。自衛隊と米軍は避難を進めるともに、原爆の投下を検討していた。北の先にはなにがあるのだろうか?

……時は遡る、彼の記憶はこうだ、「メメントモリ、そのとおりだなあ」。電話を済ましてホテルの空きも確認し仕事終わりに直行してきっちり信号が青になってからわたった、俺は完全に正しい、でもこうして跳ね飛ばされて死ねるんだ、みんな覚えとこうな人は正しかろうがいつでも死ねるんだぞ、風俗街博多に行く最中でもこんな簡単に跳ね飛ばされて死ねるんだ。
押し当てて発泡されたショットガンのように砕け散らばった肋骨によりぐちゃぐちゃに引き裂かれた彼の内蔵は大脳に「絶対に死ぬぞ」と伝えて機能を止めた。聞くまでもないアドバイスを受け取った彼の脳は、今わの際、あるだけのアドレナリンを放り出した。劣悪な人体に放り込まれゆがんでしまった魂への手向けといえばそう言えた、引き伸ばされた時間間隔の中、彼の魂は生まれて初めて論理的な思考に近づきかけていた。生まれて始めてでおそらく最後で結論をもたらすかもたらさないかもわからない模索をひらめかせたのはアンパンマンのマーチだ、何のために生まれて何をしてよろこぶ、わからないままおわる、そんなのはいやだ。
彼の論理、「死ぬぞ」→「いやだ」。曰く、「なんのためにうまれたのかなんのためにいきるのかわかってようがおわるのはいやだ、わかってるからなおさらいやだ、俺は生きるしこるしこるためにいきるおれは永久にしこりたいしこりたいおれはえいきゅうにだからおれはしこる永久にだから生きる永久に」。
大脳はほとんど機能していなかったが、今まで薄ら聞いていたどんな論理的文法よりも完全に正しい論理を脳の機能ぬきでひねりだした彼の魂を敬いながら停止し、日下正義24歳、博多の風俗狂い、ここに死す。
……そして俺はダンプカーに生まれ変わったのだ。

だけど待ってほしい。ダンプカーになってしまってはやはり博多の風俗で遊ぶことができないのではないか? 風俗街博多などで行われる女の子とのぬるぬるプレイ、迫真のフェラチオ、カウパードバドバびちゃびちゃプレイなどでたのしむことができないのではないか? それを味わいたいなら風俗街博多に行くと良いだろう。

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